入社までの道のり~2019年4月入社N~
はじめまして。4月付で入社いたしました、Nと申します。
求職者さんが体感されるであろうプライムハートの特徴的な部分に関しては既に皆様がたくさんお書きになっているため、私は自分の思考の整理も兼ねて「どのような経緯で転職しようと考えたのか。」ということについて書こうと思います。
ごくごく私事である上拙い文章で恐縮ですが、何かの参考となれば幸いです。
私は、大学を出てから一年間 教師として30人の児童と共に毎日を過ごしました。
教員の多忙さは実習などでも目の当たりにしていましたが、幼少期から祖父への憧れをもとに“将来の夢は先生になること”と口にしてきたこともあり、一度はチャレンジしようと決めていました。
生身の子どもたちはもうひたすらに可愛くて、可愛くて、可愛かったです。
しかし、世にも知られるように教職には(どんな職業もそうだといえるかもしれませんが)オワリや正解が無いに等しく、朝はもちろん 退勤後、休日のふとした時間にまで学級のことを考えてしまう始末でした。
たとえ先生1年生であっても子どもたちにとってはただの「先生」です。
6年しかない小学校生活の1年間を受け持つのだから、自分に出来る範囲で精一杯頑張ろうという覚悟もありました。
周りの先生方にたくさん助けていただきながらなんとか1日をやり過ごす、ということを積み重ねて一週間を終え、その繰り返しで四月五月を終え、さらに二か月ほどたった時のことです。
いつのまにか食べたいものが思い浮かばなくなっていることに気が付きました。
我が家には一つ自慢があります。それは、食べたいものを呟くと大抵両日中の献立として実現するということです。
N家の民は、みんな食べることがだいすきなのです。
そんな食いしん坊だらけなおうちに生まれた自分が、「何食べたい?」「なんでもいい。」という会話を一度ならず交わすようになってしまうとは。
自覚した瞬間、これは一大事だと思いました。
教師として初めてむかえた夏には、食べることが半ば億劫になっていました。
美味しいものを食べても感動できなくなっていました。その美味しさを人と共有することに、楽しみを感じられなくなっていました。
読書をしても、ギターの練習をしても、同じことでした。
日々に追われ、一日一日は飛ぶように過ぎていくのに、休日まではとてつもなく長く感じました。
7月下旬、算数科教材室の備品をチェックしながら「この職業を5年、10年と続けていくには、すり減らさなくてはならないものがとても多いな。」とぼんやり思いました。
でも、私の中には、教職を辞すという選択は少なからず家族や周りの人からの期待を裏切ることだという自覚がありました。
一年目は大変だろうからと身の回りのことをたくさん手伝ってくれていた両親に対して、申し訳ない気持ちもありました。
あと2年、せめてあと1年は頑張るべきではないかと何度も思いました。
国語で「石の上にも三年」という諺を教えた時、道徳で「目標のために継続する努力は尊い。」「すぐに諦めてしまうのではなく時には粘り強さも必要。」といった旨の教材をとりあげた時、ずしいんとした気持ちを抱えて笑顔をつくりました。
何度も自問自答を繰り返した結果、10月半ばに転職することを決めました。その理由に関しては未だに納得のいく言語化ができていませんが、“今我慢して後に辞める可能性があるのであれば、出来るだけ早いうちに決断した方が良い”という思いがあったことは事実です。
多分、ひとりひとりに自分の状態を推し量る指標のようなものがあるのだと思います。
たとえそれが示すものに気が付いていたとしても、職を変えるということはある種複雑で勇気の要る行動です。
それでも私は、一つの選択肢として天秤にかけて考えるべきものだと思っていますし、現時点では転職という選択をしてよかったと感じています。
プライムハートで出会った方々は優しく、個性的で、何かについて語る姿がとても素敵で、集まった際には楽しそうに笑っていらっしゃいます。
どんな職業でもそれぞれに大変な部分があるかと思いますが、今回気付いた指標を一つの参考としつつ、今後も私は選択と決断を繰り返していきたいです。
少なくともプライムハートは それが許される場所だと考えております。