無駄にならない努力
取締役会長の、竹中吉生です。
私がサラリーマンだった時、「人に認められたい」と、
いつも、とても強く思っていました。
人に認められるために、誰よりも早く出社して、誰よりも残業し、
自ら提案して仕事を作り、プロジェクトチームで一番若手なのに、
部長の仕事まで奪ってそれをこなしていました。
(ちなみにその頃の労働時間は毎月平均300時間くらい ^^;)
でも、会社に認められている実感がありませんでした。
すごく頑張っているのに昇給は周りと変わらなかったし、
配属されるプロジェクトは地味でつまらない案件ばかりでした。
ある日、社長に直談判に行きました。
「私は誰よりも働き、これだけのことをやっています。
○○部長の仕事までやっています。
だから私の年俸を●●●万円にしてください。」
それに対し社長はこう答えました。
「お前に●●●万円はやれないよ。嫌なら辞めればいい。」
愕然として、その日から開発に全く身が入らなくなって、
勤怠も悪くなり、ダラダラと仕事をするようになりました。
社長は無能だ、俺の力を分かっていない…と思いながら、
1年後に会社を辞めることになります…。
その5年後。
経営者になっていた私は、社員から同じ事を言われました。
「こんなに頑張っているんだから、もっと給料を下さい。」
その時私は、こう答えました。
「君が努力しているのはわかった。
努力は認めるし、賞賛されるべきことではあるよね。
でもその努力は、君が求められていることなのかな?
もしそれが“会社が求める成果”に繋がらない努力だとしたら、
努力したこと自体に対してお金をあげてしまうのは、
会社や他の社員の不利益になることではないかな?」
その時に初めて、自分がサラリーマンだった時に社長が
●●●万円を認めてくれなかったわけが分かったのです。
私がたくさん残業したことや、自分が提案して始めた仕事、
部長の仕事を奪ってまで自分がやることは、
自分が認められたくて自分勝手な判断でやっていたことであって、
会社に利益をもたらすことではなかったのです。
どんなに素晴らしい物を提供しても、相手に求められていないことであれば、
その見返りを保証されないのがビジネスです。
私は、努力をする前に、それが求められていることなのかどうかを
見極める必要があったのです。
プライムハートでは、社員に私と同じ経験をさせないよう、
「無駄にならない努力をしよう」という指導をしています。
どうすれば会社で認められるのか、を教育します。
努力が賞賛されて、その努力が見返りにつながる会社が、
私の理想なのです。