読了本紹介。〜8月〜
こんにちは、読書を続けているIです。
読書に目覚めてからちょうど1年が経過しました。
継続出来ている自分に驚いています。
8月に読んだ本の紹介です。
幻冬舎文庫
『楽園〈パライソ〉のどん底』
著:芦花公園

完全に作者読み。
芦花公園先生の書いている他シリーズが大好きで、今回手に取った次第だ。
幼少期から読書感想文が苦手なため、詳細に感想などは書けないが、読んで思ったことをここにつらつらと記録として残しておきたいと思う。
芦花公園先生の作品はエモさ、そして散りばめられた要素が全て繋がった時にじわりと汗が出てくる怖さが癖になる。
好きなシリーズにも共通して言えることだが、ジャンルはホラーに当てはめられるものの霊的なホラーというよりは、古くからある伝説、伝承、因習、民俗学などが散りばめられており、それらの要素を読みながら噛み砕けるかが重要となっていく。
(もちろんそれらでは片付けられないホラー的要素もあるが、起因として付随していくことも多い)
しかし今回の本は、万人におすすめ出来るか?と言ったらそうでもない。
なぜなら男性同士の恋愛描写が含まれているから。
そこに抵抗ない人は問題ないと思う(もちろん男女の恋愛描写もある)
本の裏表紙に記載されているあらすじの書き出し『美しすぎる彼が来て、俺はおかしくなった──。』
もうこれだけでその先が気になるような一文だ。
話もその通りなのだ、あらすじの一文のように顔のいい男との異様な快楽に溺れ、言葉の通り「狂っていく」そして、この集落には何かがある。
読み進めていくと美しいは恐ろしいというものを実感する。
最終局面に向かうにつれ、切ない、悲しい、苦しいという感情がせめぎ合いながらも、序盤から変わらずそこはかとなくどんよりした空気で、ずっと薄気味悪く湿っぽいのだ。
でも芦花公園先生の本にしては珍しく丸くおさまりそう?と思いきや最後まで気の抜けない展開で、この本を読んだ感想はただ一言、まさに『楽園のどん底』
タイトルの通りなのである。
パライソは楽園、天国を意味する。
解釈は人それぞれだと思うが、私は楽園や天国に対して苦しみのない、どちらかといえば『喜』や『幸』の感情のを抱くものであると考える。
タイトルにもある『どん底』はその真逆を示し、すなわち『地獄』なのではないか……とも感じたが、しっくりとこない。
正解はもちろん分からない。
本を読んだ人の数だけ正解が存在する。
読んだあともいろんな感情に苛まれ、またすぐにこのゾワリとする感覚を味わいたくなるのだ。
芦花公園先生はの本は驚くほど「怖い!」と感じるものではないが、読み解いていくと感じる「それって……」という、じわりと汗が吹き出るような体験が出来、情景を想像しやすく没入感もすごい。
まだ読めていない芦花公園先生の本を感読むのがとても楽しみだ。
本棚に鎮座している本を早く手に取りたい。

